2013年11月6日水曜日

リチャード・ランガム「火の賜物 人は料理で進化した」 Catching Fire --- How cooking made us human--- by Richard Wrangham


アメリカのハイカーには、軽量化のためにストーブを省略し、ジップロックに食料を入れて水でふやかして食べる人がいる。重量削減には合理的な方法であるが、栄養摂取の観点から見ると、吸収率が低くなってしまうので注意が必要である。

Some American hiker omit a stove for a weight saving, put food into a zip lock pack, soak it with water and eat it . It may be a rational technique to weight reduction, but the absorption rate of nutrition in our body will become low.  Cautions are required, from a viewpoint of nutrition

日経サイエンスで食欲の特集があり、その関係で、リチャード・ランガム「火の賜物 人は料理で進化した」を取り寄せて読んだ。

There was a special issue of appetite of Japanese edition of Scientific American.  I was impressed by the article of  Richard Wrangham. Therefore, I am reading his book, entitled  "Catching Fire --- How cooking made us human".

基本的に進化論についての料理仮説を詳しく説明した本である。趣旨は、人類は火を使って料理したので、消化器官の負担が減り、脳が大きくできたという。科学的根拠もある程度研究されている。つまり、ある程度は合理性のある仮説だろう。

It is the book which explained the cooking hypothesis about the theory of evolution in detail. Very briefly, the burden of the digestive organs decreased,  and the our brain able to became large,  since human beings cooked the food using fire. The scientific basis was also studied to some extent. That is, probably, this hypothesis may be true for some extent.

炭水化物を調理した場合の消化率は95%、調理しない場合の消化率はその半分くらい。タンパク質を調理した場合の消化率は91~94%、調理しない場合は51~65%。フリーズドライを多用すれば多少は吸収率が良くなるが、ジップロッククッキングでもお湯を使った方がよいと思う。

The digestive rate of carbohydrate was :  when cooked  95%, when no-cooked 48-71%. The digestive rate of protein: when cooked 91-94%, when no-cooked 51-65%. When freeze dry food is used abundantly, the digestive rate will be improved. But, I recommend the use of hot water, even when we cook food using zip lock pack.

注目すべき記述をピックアップしておこう。
  • ケプニックらによる食物の70~100%を生で食べる513名の生食主義者の調査。--- 生で食べる食物の割合が増えるほど、BMIが下がる。料理した食物から生の食事に移行した時の平均的な体重の減少は、女性が26.5ポンド(12kg)、男性が21.8ポンド(9.9kg)。純粋な生食主義者の集団(全体の31%)のうち、3分の1が慢性的なエネルギー欠乏を示す体重だった。」(p.20) ... 「完全な生食の女性の50%が無月経となった。さらに約10%の月経が不規則になり、妊娠が見込めなくなった」(p.22)
  • 炭水化物の消化率(p.31) ---カラスムギ、小麦、ジャガイモ、料理用バナナ、通常のバナナ、コーンフレーク、白パン、そしてヨーロッパまたはアメリカの典型的な食事(澱粉質の食物、乳製品、肉の混合)については、加熱された澱粉の少なくとも95%が小腸終端部までに消化吸収される。同じ計測で、加熱していない澱粉の小腸での消化率はかるかに低い。小麦の澱粉は71%、ジャガイモは51%、バナナ類の生の澱粉はわずか48%である。 ...実験でもやはり生の澱粉が消化されにくいことが確かめられた。しばしばその消化率は、熱を加えた澱粉の半分になる。
  • タンパク質の消化率(p.66-67)---料理した卵の場合には、タンパク質の消化率は平均91~94%だった。...しかし、回腸造瘻術の患者について、生の卵の消化率を測定すると、わずか51%しかなかった。呼気内の安定同位元素の含有率から推測した、健康な志願者の消化率は65%で、いくらか高かった。...料理はの卵のタンパク質の価値を40%高めていた。

後半は大した内容ではなかったな。料理の必要性についての民俗学的調査・考察がある程度。






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