2013年12月9日月曜日

黒田栄史 「変形性関節症 正しい治療が分かる本」 法研



奥様の膝の痛みが悪化、変形性関節症の初期から中期。膝の内側の軟骨が摩耗し、痛みがある。進行すると人工関節だという。そこで奥様が勉強した本がこれ。なかなかきちんと書いてある。これを読むと傾向と対策がばっちりできる。大事なことを抜き書きしておく。
  • 基本は運動療法。運動して膝の動きを維持する。特に、膝を伸ばす大腿四頭筋を鍛える。
  • 何度もステロイド薬を関節に注射すると、関節の破壊が進む。
  • 関節液の循環は、関節を動かす他ない。三浦豪太の仮説に類似のイラストがあった。足に重りを付けて歩いても良いだろう。
  • 運動療法では、水中ウォーキング、自転車漕ぎ、ジョッキングなどがある。
  • 低強度の運動でも症状の改善効果は高強度と同等である。
  • 足底板は膝の変形の程度に合った物を選ぶ。
  • サプリメントのうち、グルコサミンとコンドロイチンだけは、軟骨が残っている初期から中期にのみ効果が認められる。
なお、立花陽明 「変形性膝関節症の診断と治療」理学療法科学20, 235-240.によると、リスクファクターは、「年齢」、「女性」、「肥満」、「外傷」である。変形性膝関節症の多くは内側大腿骨で発症、体重と筋力の合力が内側に移動し、関節軟骨の変成が促進される。内反膝の場合は足底板を処方するとある。

医者は何もしてくれなかったが、奥様用に足底板を自作した。インソールの底に2mmのテントマットを貼り付けただけである。実質1mmの厚さだが、これだけで、膝の痛みが減少、長時間のウォーキングが可能になった。


人間の身体のメカニズムは複雑で微妙。たったこれだけの工夫なのだが。結果が良かったので、運動靴すべてのインソールに同等の処置をした。垂直にきっちりと膝に荷重をかけると、膝の状態が改善していくと思う。膝の内側、もしくは、外側(外側だと内側に貼り付ける)に痛みのある人は、試してみるとよいだろう。