2014年9月25日木曜日

NATROM 「ニセ医学」に騙されないために





NATROMはブログで有名で、昔、血液型人間学批判の膨大な議論を一部読んだことがある。彼は内科医で、これは「ニセ医学」の批判書である。意外にコンパクトにまとまっていて、読みやすい。半日あれば読めるだろう。

内容は、現代医療、代替医療、健康法の3部構成になっている。現代医療では、ガンを治療しないこと、ワクチンの有害説、自然分娩が素晴らしいこと、などを研究を上げて批判している。代替医療ではホメオパシー、エネルギー療法などの批判、健康法では、水で身体が変わるとか、マクロビオティック、血液型ダイエット、抗酸化サプリで老化が防げるなどの根拠のなさを指摘している。

インチキ療法やインチキ健康法は花盛りで、困ったものだが、こういう本は救いになる。問題は、救いようのない人が信じているような「ニセ医学」批判を焦点に当てていることだ。そういう内容を信じている人がこの本を読むはずがない。健全な人は、もっとグレーな領域で判断を迫られる機会が多いだろう。そのような時には、この本は力不足である。